川崎すずき内科クリニック | 糖尿病内科・甲状腺内科・生活習慣病・一般内科

川崎すずき内科クリニック

糖尿病って何?

日本の糖尿病患者数は、近い将来1000万人を超えることが確実といわれ、増加の一途を辿っています。
糖尿病の最大の問題は、高血糖に伴う様々な合併症の発症であり、糖尿病治療の目標は合併症を未然に防ぐことです。

糖尿病とは

“インスリンの作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝症候群”と定義されます。
簡単に言うと、血糖を下げる働きを持つ膵臓(β細胞)から分泌される“インスリン”が不足して、血糖値が上昇している
患者さんを“みんな糖尿病と呼んでいるだけ”であり、実は患者さんによって原因は様々です。
そのため、食事・運動療法だけで経過をみるべき方から、即座に内服薬またはインスリン治療を開始しなければならない方まで、幅広く存在します。

分類

1型糖尿病(糖尿病全体の5-10%程度)
自身の免疫細胞が、膵β細胞を外敵であると誤認識して破壊してしまい、やがてインスリンが枯渇してしまうものです。
多くの方が、インスリン注射による治療を行わないと生命が維持できない状態(=インスリン依存状態)に進行します。GAD抗体という自己抗体の測定が診断に非常に役立ちます。

  • 急性発症典型例:小児~若年発症が多く、発症から半年程度でインスリン依存状態に進行します。
  • 劇症例:成人に多く、発症から1週間程度でインスリン依存状態に進展、適切な処置が遅れると死に至ります。
  • 緩徐進行例:成人に多く、数年かけてインスリン依存状態に進行します。一般の2型糖尿病として治療されていた方が、実は緩徐進行1型糖尿病であったという例も珍しくありません。

2型糖尿病(糖尿病全体の90-95%程度)
一般に糖尿病というと、この2型糖尿病を指しますが、実は原因がまだはっきりしていない高血糖を呈した患者さんをすべて2型糖尿病と呼んでいるだけなのです。血縁者に糖尿病の方がいることが多く、中高年以降の発症が多いことは知られています。
治療を考える上で、以下の2つの病態に分けて考えていきます。分類には、Cペプチドというインスリン分泌能の測定が役立ちます。

  • インスリン分泌低下型:膵β細胞の機能低下が主な原因であり、やせている方に多く、インスリンの絶対量の不足が病態の本質となります。そのため、治療は、インスリンの分泌促進薬やインスリン治療が適切です。生活習慣の改善だけでは、治療効果が十分に期待できないことが多く経験されます。
  • インスリン抵抗性型:肥満(過食・運動不足)を背景に生じた“インスリンの効きが悪くなった”という状態が主な原因で、膵β細胞はインスリンを過剰に分泌していてもそれでも足りない(=インスリン量の相対的不足)ことが病態の本質となります。そのため、治療は肥満の是正(生活習慣の改善)やインスリン抵抗性改善薬が主体となります。

合併症

高血糖による血管の障害が主体となります。
  細い血管の障害(3大合併症):網膜症、腎症、神経障害
  太い血管の障害(動脈硬化症):狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症
他、免疫力の低下により感染症にかかりやすくなる、著明な高血糖による意識障害、妊婦さんの場合は胎児への悪影響、
等があります。

血糖コントロール指標

最もわかりやすい指標として用いられているものが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)です。過去2ケ月間の血糖値の平均が反映されます。正常値はHbA1c4.6~6.2%とされています。一般的に「合併症予防のための目標値」としてHbA1c7.0%未満を目安にして、治療していきます。ただし、個々の患者さんの病態、年齢などにより、目標設定は異なります。

治療

糖尿病の分類・病態を十分に考慮したうえで、治療法を選択していきます。

  • 食事療法:やせ型と肥満型の患者さんとでは多少異なりますが、一般的に簡単に言うと、腹八分目、油っぽいものは控えめ、野菜を多めに、間食・清涼飲料水は控えて、飲酒は程々にといったもので、特別に難しいものではありません。また、炭水化物の過剰摂取を控えるのも有効な方法です。
  • 運動療法:一般に30分程度のウォーキングなどが奨められています。インスリン抵抗性型の方には特に効果的です。
  • 血糖降下薬:インスリン分泌促進系のもの、インスリン抵抗性改善系のもの、糖吸収・排泄調節系のものがあります。
  • インスリン治療:かつてのインスリン治療は最終手段といった考え方ではなく、早めにインスリン治療を用いて
    膵β細胞の疲弊を防ぐという積極的な使用法が普及してきています。

最後に

糖尿病という病気は、さまざまな病態を持った方の総称であるため、治療法はそれぞれの患者さんによって大きく異なります。また、マスコミの糖尿病特集で扱った内容が必ずしもすべての患者さんに適しているわけではありません。
血糖コントロールの結果が思わしくない患者さんは、是非、糖尿病専門医の診断を受けてみることをお勧めいたします。